こんにちは!こむぎです。
趣味でラーメンを自作しています!
ラーメンの自作を始めてから、製麺用にMARCATO パスタマシン アトラス 150というものをを使っています。
僕は自作ラーメンを楽しむ際、ほぼ100%このアトラスで製麺を行っています。麺の厚みをダイヤルで調整してしっかりと管理できるのが良いところです。低加水の麺でも丁寧に作業すればこれで十分使えます。(小野式という自家製麺マニアの間では有名な製麺機も持っていましたが、全然使わないのでヤフオクで売却しちゃいました。)
MARCATO アトラス150には標準装備として1.5mmと6mmの切刃がついていますが、ラーメン用の中華そばでは主に1.5mmを使用します。
この記事ではアトラスのパスタマシンでの中華麺の基本的な作り方をまとめました。
材料(加水率40% 3人前)
・春よ恋(強力粉) 300g ※1
・粉かん水 3g ※2
・水 120cc ※3
・塩 3g ※4
・打ち粉 適量
※1 小麦粉について
中華麺は強力粉を使うことが多いです。うどんは中力粉です。「中」と「強」の何が違うのかというと、小麦粉に含まれている蛋白量が違います。蛋白量が多いと、生地にしたときの粘りやコシが強い麺になります。(春よ恋の蛋白は12.0%前後です。)あとは灰分というのもあり、麺にしたときの色や歯ざわりに影響があります。灰分が少ない方が高級小麦とされます。(春よ恋の灰分は0.45%前後です。)
小麦粉の銘柄は味と風味に直結するので、美味しい麺を作りたいなら小麦粉は良いものを使いましょう。春よ恋は北海道産の強力粉でモチモチした食感でとても美味しい小麦粉なのでオススメです。慣れてきたらいろんな粉を試してみましょう。 Amazonよりも楽天市場のほうが種類が豊富だと思います。
※2 かん水について
中華麺は水だけでなく「かん水」を混ぜたものを小麦粉に混ぜて作ります。かん水はアルカリ性の水溶液で重曹と成分が似ています。入れることによって中華麺特有の麺のコシと黄色い発色。重曹臭ともいわれるような独特の風味が加えられます。僕は粉かん水を使っています。小麦粉の量に対して1%の重さを水に入れて溶かして使います。
※3 塩について
一般に製麺する場合は小麦粉と水にさらに「塩」を加える場合が多いです。塩を入れることによって生地を締める効果があり、味にもメリハリが出ます。手打ち麺など多加水の麺の場合はコシを出すのに塩を多めに入れます。(なので手打ちうどんは塩分多めのレシピが多いです。)逆に博多ラーメンの麺の様にバリっとした低加水の麺には塩は入れません。
中華麺を打つ際は、僕はいつも小麦粉の量に対して1%の塩を使います。
※4 加水率について
小麦粉の重量に対して水の重量をどのくらい加えるかが「加水率」です。自家製麺の初心者は生地が固すぎず、柔らかすぎない40%前後が扱いやすいと思います。
博多ラーメンの麺は極端な低加水率で30%前後です。バリッとした歯切れの良さと小麦の風味を重視した配合です。(逆に言うと粉っぽい)つけ麺の麺などは高加水率で42%前後が多いです。つるつるモチモチとした食感を重視する配合です。
加水率 | % | どんな麺? |
---|---|---|
低い | 28%〜32% | 博多ラーメン バリっと系 |
普通 | 33%〜38% | 中華そば スタンダード系 |
高い | 39%〜46% | つけ麺 もちもち系 |
※加水率を計算する際、塩やかん水の重さを含めるかどうか?ですが、僕は含めずに純粋に水だけで加水率としています。
麺の作り方
さて、さっそく麺の作り方です。
1 材料をきちっと測る
製麺するときは1g単位できちっと分量を計ることが重要です。勘でやるのは論外です。
加水率は1%違うだけで、生地の雰囲気は結構変わります。プロは季節によって加水率を変えているようです。これは気温や湿度によって同じ加水率でも生地のまとまり感が変わるからです。夏はべっちょりしがちなので、加水は少なめにします。逆に冬は生地が固くなりがちなので、加水を多めにします。
2 水まわし
水に入れたかん水と塩をよく混ぜて溶かしたのち、小麦粉になじませていきます。水まわしの目的は「すべての小麦粉1つぶ1つぶの水分量を均等にすること」です。なのでいきなりここでグイグイ生地にしようとするのはご法度です。
小麦粉を下から手で巻き上げながら、少しずつ水をまわしかけて「均等に」水分を配分していく意識で作業します。手にくっついた生地はまめに引き剥がして、生地に戻し、ボウルのふちにはりついた小麦粉も一粒残らず生地に入れ込む意識で撹拌します。理想はパン粉のような状態にすることです。
3 生地をねかす
水まわしが終わったら、全部ジップロックに入れて、生地が乾かないように密封して、1時間放置して生地をねかします。ここで生地をねかせる理由は、水回しで一生懸命均等にあわせた水分を、ここからさらに浸透圧の法則を利用して、水分を小麦粉の1つぶ1つぶ、隅々まで行き渡らせるためです。
4 足踏み1回目
パン粉状の生地を一度1つにまとめます。ジップロックを一部あけて、空気の逃げ道をつくり、口の反対側から徐々に足で踏んで生地にしていきます。
5 足踏み2回目、3回目
ジップロックから生地を取り出して、折りたたんでからまたジップロックにもどし
再度上から足で踏みます。ペタンコになったらまた折りたたんで、ジップロックに戻し上から足で踏む…を3セットほど繰り返します。パスタマシンを使用せずに麺の生地を完成させてしまうイメージです。
そうすれば、パスタマシンの作業は厚みの調整と切るだけにできますので、パスタマシンが壊れにくく、長く使えることに繋がります。
6 再度寝かせる(熟成)
3回足踏みが終わった状態です。一応この段階でまとまった生地になっていますが、一部が白っぽく水がぬけたような色になっています。
ここからさらに寝かせると生地のまとまり感がUPし、あとから行う製麺の工程がやりやすくなります。最低2時間は寝かせます。色も均等な薄黄色になります。
ここで生地を1〜2日寝かせる方法もあります。生地をしっかり寝かせると、水分が均等に行き渡り、非常に滑らかなまとまり感のある麺になります。これを自作ラーメン界隈では「熟成」と呼んでいます。熟成させた方が麺は美味しくなることが殆どで、僕はラーメンを作る前日にここまでの作業をやっておくことが多いです。時間に余裕がある人は熟成の時間を確保することをオススメします。熟成期間をおいた方が滑らかな麺になりますが、小麦の香りは弱くなっていきますのでそこはお好みで。
また、例えば博多ラーメン用の細麺など、加水率30%以下の低加水の生地の場合、水回ししてすぐの生地を麺にしようとすると生地のまとまりが悪く、ボロボロになってしまいます。生地を熟成させると生地自体がしっかりとまとまるため、製麺の際かなり扱いやすくなります。単純に美味しさの話だけではなく、作業性の向上という点でも熟成はオススメです。
7 適当なサイズに切り分ける
いよいよパスタマシンを使う準備をします。パスタマシンに通しやすいサイズに生地を切り分けます。今回300gの小麦粉に約120gの水を足したので、合計420g。3で割ると1玉140gの麺になる計算で3つに分けることにします。
8 綿棒でなるべく平らにする
さらに生地を綿棒でなるべくうすっぺらく伸ばします。これをやっておかないと、パスタマシンの負荷が高くて壊してしまったり、麺のグルテンを破壊していまい生地がブチブチと切れる原因になります。結構重要な工程です。
9 メモリ「0」でローラーにかけていく
3本の生地をそれぞれメモリ「0」でローラーにかけます。
10 メモリ「1」「2」「3」…と順番にローラーにかけていく
メモリを1つずつ上げていき、順番にローラーにかけていきます。メモリは1つづつ狭めていくことが大切です。メモリをとばすと圧力が高まりすぎて、グルテンが切れてしまい、生地がボロボロになる原因となります。
11 麺帯を任意のうすさまで伸ばします
アトラスで中華そばを作るなら厚みのメモリは「5」または「6」がオススメです。今回は「5」まで薄くしました。
12 麺帯を1人前の長さに切る
必要に応じて任意の長さに麺帯をカットします。麺線を綺麗に整えたい場合はちょっと長めにするのがオススメです。
※今回は元々3玉用に生地を分けていたので、この工程は飛ばします。
13 パスタマシンで麺にカット
緊張の瞬間です。1.5mmの切刃でカットします。
14 完成!
できました。
打ち上がった麺はくっつかないように、打ち粉にまぶしておいておきます。うち粉が無い場合は片栗粉やコーンスターチで代用もできますが、茹でた時にお湯がネバネバになります。
打ち立ての麺は小麦の香りがすごくいい匂いで、コシもあり、市販の麺など食べる気もしないくらい素晴らしく美味しい麺になっています。
冷蔵庫で5日ほどは持ちますが、冷凍したら1ヶ月程度はもちます。僕は作り過ぎたら迷わず冷凍しています。
パスタマシンを使った中華そばの作り方は以上です!
あなたもパスタマシンを使って中華麺をつくってみませんか?
もっといろんな幅で麺を作りたい人は?
アトラス150には1.5mmと6mmの切刃しかついていないため、デフォルト装備では普通の中華麺しか作れません。(6mmはラーメン作りにはほぼ使えないです)麺の切刃の種類を増やすには2つ方法をオススメします。
単品の替え刃アタッチメントを購入する
アトラス150を使ってもっといろんな幅の麺を作りたい人は、単品の替え刃アタッチメントがたくさんあるので購入しましょう。※意外といい値段します。
↑例えば博多ラーメンのような極細麺を作りたいなら1mmのアタッチメントを購入
ウマくてご麺を購入する
もっと安くたくさんの切刃が欲しい場合は、こちらの「ウマくてご麺」を購入しましょう。2mm、3mm、4mm、9mmと4種類の切刃がついていて、麺のバリエーションを増やすには大変お買い得な商品です。ただ値段が安い分、つくりも甘くあくまでオモチャだという割り切りも必要です。低下水の麺はうまく切れず詰まってしまうため、加水率38%以上の高加水麺専用の切刃として考えましょう。
せっかく作った麺をラーメンにしたい!
麺を作るような人なら、当然スープも自分で作りたいはずです。
簡単な醤油ラーメン
ひき肉だけで作ったスープで、王道の醤油ラーメンが作れます。こちら簡単ですのでぜひ麺の試食に使ってみてください。
簡単な鶏白湯ラーメン
圧力鍋と手羽先があれば作れる簡単!鶏白湯ラーメンの作り方を紹介していますのでよかったら覗いてみてください。あなたが作った麺が活きると思います。
パスタマシンを使った中華麺の作り方は以上です。
ではまた!