どうも!こむぎです!
趣味でラーメンを自作しています!
パスタマシンを使えば自宅でラーメンの麺を作ることができます。当ブログでは自家製麺を推奨しており、作り方はこちらに詳しく載せています。
基本的には上記の記事の手順で麺を作ればよいのですが、いわゆる「低加水」の製麺はさらにちょっとしたコツがあります。低加水麺の生地は非常に固く、下手に製麺を行うと負荷が高すぎてパスタマシンを壊してしまいます。また、生地がまとまりにくいためボロボロになってしまい、そもそも麺にすることすらままならない場合もあるでしょう。
今回は、そんな「低加水」の麺を作る際に気を付けるポイントに触れながら、家で作る二郎系のワシワシ麺の作り方を紹介します。それでは行ってみましょう!
低加水の麺を作る際のポイント!
低加水の麺を作る場合、知っておいてほしいポイントが3つありますのでご紹介します。
ポイント1: 加水率
麺を作る際、小麦が100だとしたらその中に何%水を入れるか?というのが加水率です。ただし一言で加水率といっても、例えば小麦100に対して水だけを対象にして加水何%と言うケースと、塩やかん水など液体物をすべて混ぜた状態で加水率と表現しているケースがあり、注意が必要です。ちなみに当ブログの加水率は「純粋に水だけ」の割合で表示しています。
低加水の麺ということは、読んで字の如く「水が少ない」ということです。低加水麺といえば、博多ラーメンの極細麺など、バリっとした小麦粉の香りが強い麺が代表格です。
麺の加水率と代表的なラーメンの関係はこんな感じです。
加水率 | 代表的なラーメン | 特徴 | |
---|---|---|---|
低加水 | 28%〜32% | 博多ラーメン 二郎系ラーメン | バリっとした食感 粉っぽい 小麦の香り強い スープを吸う 茹で伸びしやすい |
中加水 | 33%〜38% | 家系ラーメン 中華そば 普通のラーメン | 中間の性質 |
多加水 | 39%〜46% | つけ麺 喜多方ラーメン | モチっとした食感 ツルツルしている 小麦の香り弱い スープを吸わない 茹で伸びしにくい |
実際博多ラーメン用の麺では加水率30%でも「加水率が高い」と言われていおり、加水率25%の麺などが作られているようです。ですが小麦グルテンや増粘剤などの添加物を加えた上での製麺である場合も多く、その情報を鵜呑みにして家で麺を作ると、全く麺にならず痛い目を見ます。上記の数値は管理人が長年麺を作ってきた中で、「小麦に対する純粋に水だけの加水」で麺に出来る範囲内の数値としてまとめました。
●加水率は28%〜32%くらい
ポイント2: 小麦粉の蛋白
また低加水麺を作る場合、小麦粉に含まれている蛋白量も重要です。低加水麺を作る場合、蛋白がある程度高くないと麺にすることができません。最低12%程度。理想としては14%程度の高い蛋白のある強力粉で製麺しましょう。手に入りやすい高蛋白の小麦粉は、「オーション」「プライムハード」「ゆめちから」などがあります。
●使用する小麦粉はタンパク量が12%〜14%程度の高タンパクの強力粉を使う
え?タンパクってどういうこと?という人はこちらを読んでみてください。↓
ポイント3:熟成期間をしっかり確保
低加水の麺は水分量が少ないのもあり、生地に均等に水分を行き渡らせるのに時間がかかります。製麺の際には生地を寝かせる期間=「熟成期間」をしっかり確保してください。生地を作ってから、最低でも一晩は熟成させたいところです。
作業開始時に水分が不均等でマダラ模様の生地も、熟成期間をとることによりしっかり水が行き渡り、製麺のしやすさが格段に上がります。
●生地の熟成期間を最低一晩確保しよう!
二郎系の麺を作ろう!
では具体的な製麺の手順を紹介します。今回は低加水麺でも比較的作りやすい、二郎系のワシワシ麺を例として取り上げようと思います。
材料
・オーション 500g
・水 160g ※加水率32%
・塩 5g
・粉かん水 5g
二郎系の麺といえば強力粉の「オーション」です。オーションは味も濃厚で、いろんな麺を作る際に使いやすいので管理人の一押しの小麦粉です。
1 材料をきちっと測る
製麺するときは1g単位できちっと分量を計ることが重要です。勘でやるのは論外です。
2 水まわし
水に入れたかん水と塩をよく混ぜて溶かしたのち、
小麦粉に全量投入します。
菜箸などでふわふわっと混ぜ始めます。
水まわしの目的は「すべての小麦粉1つぶ1つぶの水分量を均等にすること」です。なのでいきなりここでグイグイ生地にしようとするのはご法度です。
ある程度混ざったら、小麦粉を下から手で巻き上げながら、少しずつ水をまわしかけて「均等に」水分を配分していく意識で作業します。手にくっついた生地はまめに引き剥がして、生地に戻し、ボウルのふちにはりついた小麦粉も一粒残らず生地に入れ込む意識で撹拌します。理想はパン粉のような状態にすることです。
3 生地をねかす
水まわしが終わったら、全部ジップロックに入れて、生地が乾かないように密封して、1時間放置して生地をねかします。ここで生地をねかせる理由は、水回しで一生懸命均等にあわせた水分を、ここからさらに浸透圧の法則を利用して、水分を小麦粉の1つぶ1つぶ、隅々まで行き渡らせるためです。
4 足踏み1回目
生地の寝かしがおわったら次に足踏みです。
パン粉状の生地を一度1つにまとめます。ジップロックを一部あけて、空気の逃げ道をつくり、口の反対側から徐々に足で踏んで生地にしていきます。
5 足踏み2回目、3回目
ジップロックから生地を取り出して、折りたたんでからまたジップロックにもどします。ボロボロに崩れそうになりますが、今はあまり気にする必要はありません。
再度上から足で踏みます。ペタンコになったらまた折りたたんで、ジップロックに戻し上から足で踏む…を3セットほど繰り返します。
何度か繰り返すと先ほどよりしっかりと生地にまとまってきます。
一応「折る」「踏む」は3セットが目安ですが、このように生地が綺麗になるまで根気よく作業し、不完全な場合は回数を増やします。
どうしても生地がボロボロ崩れてまとまらない場合は、一度ジップロックし直して再度2時間ほど生地を休ませて、その後もう一度同じ作業を繰り返します。
このように生地をまとめる作業は手作業で全て終わらせます。パスタマシンでやるには負荷の高い作業ですので、それを手作業で終わらせることによって、パスタマシンを壊さずに低加水麺を作ることにつながります。
6 再度寝かせる(熟成)
3回足踏みが終わった状態です。一応この段階でまとまった生地になっていますが、まだよく見ると一部が白っぽく水がぬけたような色になっています。
ここからさらに寝かせると生地のまとまり感がUPし、あとから行う製麺の工程がやりやすくなります。最低一晩は寝かせます。マダラ模様だった生地が、しっとりと質感になり、均等な薄黄色になります。生地を寝かせる工程を「熟成」と呼びます。大袈裟な言い回しですが、しっかり密閉して放置するだけです。
ここでポイント3のおさらいです。低加水の生地の場合、水回ししてすぐの生地を麺にしようとすると生地のまとまりが悪く、ボロボロになってしまいます。生地を熟成させると生地自体がしっかりとまとまるため、製麺の際かなり扱いやすくなります。単純に美味しさの話だけではなく、作業性の向上という点でも熟成は必ず行ってください。
7 適当なサイズに切り分ける
一晩たって熟成が終わったら、いよいよパスタマシンを使う準備をします。袋から生地を取り出します。
パスタマシンに通しやすいサイズに生地を切り分けます。
8 綿棒でなるべく平らにする
さらに生地を綿棒でなるべくうすっぺらく伸ばします。これをやっておかないと、パスタマシンの負荷が高くて壊してしまったり、麺のグルテンを破壊していまい生地がブチブチと切れる原因になります。結構重要な工程です。
9 メモリ「0」でローラーにかけていく
3本の生地をそれぞれメモリ「0」でローラーにかけます。
10 メモリ「1」「2」「3」…と順番にローラーにかけていく
メモリを1つずつ上げていき、順番にローラーにかけていきます。メモリは1つづつ狭めていくことが大切です。メモリをとばすと圧力が高まりすぎて、グルテンが切れてしまい、生地がボロボロになる原因となります。
11 麺帯を任意のうすさまで伸ばします
アトラスで二郎系の麺を作る場合メモリ「5」まで薄くします。
12 麺帯を1人前の長さに切る
必要に応じて任意の長さに麺帯をカットします。
13 パスタマシンで麺にカット
緊張の瞬間です。3.5mmの切刃でカットします。
※Atlus150の現行機は3.5mm刃はついてませんので、使いたい人は単品刃を購入してください。
14 さらに一手間!縮れ麺にする
いったん麺はできましたが、さらに一手間かけて縮れ麺にします。
麺にしっかり目に打ち粉をしたら、両手で体重をかけてしっかりとつぶします。力一杯やっちゃってください。
管理人が使っている打ち粉はこちら
15: 完成!
少し縮れた二郎系用のワシワシ麺の完成です!
博多ラーメンの極細麺にも
同じ生地を厚みをメモリ6まで薄くして、1mmの切り刃でも切ってみました。
オーションを使った細麺もなかなか美味しいですよ。普通のラーメンなどにぴったりです。
同じような手順で加水率を30%以下にすれば博多ラーメンの極細麺も作れますのでよかったら試してみてください。
実食
作った麺は二郎系ラーメンにしましょう!
うますぎる!
これだから自家製麺はやめられまへんわ
以上パスタマシンを使った「低加水」の中華麺の作り方でした!
ではまた!